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Column

2026.01.06

組織デザインは、なぜ人数が増えるとうまく機能しなくなるのか

経営コンサルタントを名乗る実務のたたき上げ中年オヤジ(51歳)が、経営の原理原則を学ぶべくMBA(大学院)に通うことを決意し、日々の学びと気づきを不定期でつぶやきます。

この記事のポイント
  • MBA(経営学修士)での学びを手軽に追体験できます

第19回目のテーマは・・・組織デザインは、なぜ人数が増えるとうまく機能しなくなるのか

前回は、中小企業に多い「職能型」「事業部型」「プロジェクト型」という3つの組織デザインについて、それぞれの特徴を整理しました。

どの組織形態にも正解・不正解はありません。
しかし実務では、「人数が増えただけなのに、急に会社が回らなくなった」との声があります。

これは経営力の低下ではなく、組織の前提条件が変わったことによって起きる必然的な現象です。今回は、そんな組織に関する人数について整理していきます。

1.10人の壁:全員が見えている組織

社員10人前後までの組織では、

  • 誰が何をしているか
  • 誰が忙しいか
  • 誰が困っているか

が自然と把握できます。

この段階の組織は、関係性で回る組織ルールや制度よりも、社長の判断や暗黙の了解が機能します。

ただし、この強さは同時に弱さでもあります。
「察して動く」「言わなくてもわかる」という前提は、人数が増えた瞬間に通用しなくなるからです。

創業期や家族的経営に多い形態です。ルールが緩い分、自由度は高いですが属人的に陥りやすく、育成や教育などが進まないため、スケールしない要因となります。

2.30人の壁:「いい会社だったのに」の正体

30人前後になると、社長の視界から人がこぼれ始めます。
このとき多くの経営者が口にするのが、「昔はもっと一体感があった」という言葉です。

ここで起きているのは、人の問題ではなく、情報量と処理の問題です。

  • 会話の総量
  • 判断の回数
  • 利害関係が指数関数的に増え、「全員で共有する」こと自体が非現実的になります。

この段階で必要なのは、 “気合”ではなく役割と分担です。

この理由は、人の認知限界が5〜6人程度にあるためです。
人は無意識に把握・配慮できる関係性がこの人数を超えると、情報は急激に粗くなり、「察する」「空気を読む」経営は成立しなくなります。

3.50人の壁:組織が壊れやすくなる理由

50人規模になると、組織は「人」ではなく構造で動く存在に変わり始めます。

ここで起きがちなのが、

  • 指示が二重になる
  • 責任の所在が曖昧になる
  • 不満が陰で増殖する

つまり、組織の複雑性・多様性に対して構造が追いついていない状態です。

このフェーズで何も手を打たないと、 組織とヒトは「壊れる」のではなく、静かに摩耗していきます。

このフェーズで最優先すべきは、人を増やすことではなく、構造を明確化することです。

具体的には、

  1. 意思決定の起点を明確にする(誰が決め、誰が従うのか)
  2. 役割と責任の境界を線で引く(兼務前提でも曖昧にしない)
  3. 不満が表に出る機会を意図的につくる(対話の場の設計)

これらは制度改革ではなく、組織の最低限の設計と言えます。

4.100人の壁:組織は“生き物”として動き続ける必要がある

100人規模になると、組織は単なる人の集まりではなく、一つの生態系のような存在になります。

この段階では、

  • 一部で起きた問題が別の部署に影響する
  • 考え方や判断基準が部署ごとにズレてくる
  • 社長の考えが現場まで届きにくくなる

といったことが起こりがちです。

だからこそ必要になるのが、人と考え方が会社の中を巡る仕組みです。

定期的に考え方を共有する研修や対話の場、部門をつなぎ、考えを現場の行動に落とすミドルの役割。

100人規模の組織は、管理で固めるよりも、
話し、学び、つなぎ続けることで活力を保つ組織なのです。

まとめ

人数が増えると組織運営が難しくなるのは、避けられません。それは失敗ではなく、成長の証です。

重要なのは、「昔のやり方に戻そう」とすることではなく、今の人数に合った前提に切り替えること

次回は、この人数の壁を越えるために不可欠な存在、「ミドル(中間層)」の役割について掘り下げていきます。

まずは、自社がどうなりたいのかを明確にし、組織規模をどう設計するのか?

すべては経営者のビジョン次第です!

社長!本当に経営、できていますか?

この記事を執筆したのはです
栃倉 恒敬 (Tsunetaka Tochikura)
(株)横浜総合マネジメント
代表取締役
上級経営会計専門家
大学卒業後、大手食品会社にて製造から物流、企画、営業までを経験。28歳で財務会計知識の習得を目指し泉会計事務所(税理士法人横浜総合事務所)に入社。2008年㈱横浜総合マネジメントを社内起業にて設立。中小企業の成長、発展を支援するため経営計画の立案、運用を中心とする経営コンサルティング(未来会計)に従事し、2021年より代表取締役に就任。 新規事業立ち上げと、実家の家業を自ら事業承継したリアルな経験を活かし、お客様に寄り添う伴走型のコンサルティグを得意としています。 県内の同業と連携する(株)未来会計コンサルティングの役員など、顧問先の外部CFOも歴任。
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