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Column

2026.02.10

壁を越えるために不可欠な存在|ミドル(中間層)が組織にもたらす本当の価値とは

経営コンサルタントを名乗る実務のたたき上げ中年オヤジ(51歳)が、経営の原理原則を学ぶべくMBA(大学院)に通うことを決意し、日々の学びと気づきを不定期でつぶやきます。

この記事のポイント
  • MBA(経営学修士)での学びを手軽に追体験できます

第20回目のテーマは・・・組織の調整を司る、ミドル(中間層)の価値定義です。

前回は、中小企業の人数の壁について考えました。30人、50人、100人。多くの中小企業が、このあたりで同じ違和感に直面します。

売上は伸びている。人も増えている。それなのに、意思決定が遅くなり、現場の動きが鈍くなる。社長は忙しくなる一方で、「自分が現場に戻らないと回らない」と感じ始める。

この“人数の壁”は、制度や組織図を整えただけでは越えられません。その正体は、ミドル(中間層)の機能不全にあることがほとんどです。

ミドルが崩壊した組織で起きていること。

まず誤解されがちなのは、「ミドルが育っていない」「管理職の能力が低い」という見方です。実際には、ミドルが弱いのではなく、役割を失っているケースが多い。

ミドルが崩壊した組織では、次のような現象が起きます。

  • 社長が細部まで口を出し続ける
  • トップの意思が“号令”としてしか現場に伝わらない
  • 現場の不満や違和感が、上に届かない
  • 管理職が「板挟み要員」になり、疲弊する

その結果、判断は遅れ、責任は曖昧になり、組織は指示待ち化していきます。

ミドルがいない組織は、神経の通っていない身体のようなものです。筋肉(現場)も、脳(トップ)もあるのに、うまく動かない。

ミドルの本当の役割と価値とは何か

ミドルの役割は、単なる「管理」ではありません。

本質は、

  • トップの意思を翻訳
  • 現場の知恵や感情を編集
  • 組織のズレを調整すること

ミドルとは、情報を伝える人ではなく、仕事に意味をつくる人です。ここで、例えとして私の家業になぞらえてみましょう。

杜氏というミドル

日本酒づくりにおいて、杜氏は極めて重要な存在です。

  • 蔵元(トップ)の思想を理解している
  • 同時に、麹・酵母・気温・蔵人それぞれの癖を熟知している
  • 酒は、設計図どおりには仕上がらない
  • 毎日、微妙な調整を重ねながら“場”を整えていく

杜氏は命令で酒を造りません。対話と観察と経験によって、発酵を導きます。

DDチェックポイント

組織も同じです。

理念(DNA)を、 現場の経験や環境に合わせて“発酵”させる存在。それが、本来のミドルです。

これからのミドルは、どうあるべきか

これから求められるミドル像は、大きく変わります。

  • 指示を出す人 → 問いを立てる人
  • 管理する人 → 学習を促す人
  • 正解を持つ人 → 対話を生む人

そして、社長側にも変化が求められます。

  • すべてを把握しようとしない
  • すべてを決めようとしない
  • ミドルを「使う対象」と見ない

ミドルは、任せる存在ではありません。
共に成長する存在です。

人数の壁を越える鍵は「ミドル」にある

組織は、トップと現場だけでは進化しません。その間にいる存在が、温度と速度を決めます。

ミドルが育つ組織は、大きく変わったようには見えなくても、静かに、しかし確実に強くなっていきます。

人数の壁を越える鍵は、制度でも、戦略でもなく、「ミドル」をどう位置づけるかにあるのです。

まずは、自社のミドル(中間層)の役割を明確にし、位置づけを決めましょう。すべては経営者のビジョン次第です!

社長!本当に経営、できていますか?

この記事を執筆したのはです
栃倉 恒敬 (Tsunetaka Tochikura)
(株)横浜総合マネジメント
代表取締役
上級経営会計専門家
大学卒業後、大手食品会社にて製造から物流、企画、営業までを経験。28歳で財務会計知識の習得を目指し泉会計事務所(税理士法人横浜総合事務所)に入社。2008年㈱横浜総合マネジメントを社内起業にて設立。中小企業の成長、発展を支援するため経営計画の立案、運用を中心とする経営コンサルティング(未来会計)に従事し、2021年より代表取締役に就任。 新規事業立ち上げと、実家の家業を自ら事業承継したリアルな経験を活かし、お客様に寄り添う伴走型のコンサルティグを得意としています。 県内の同業と連携する(株)未来会計コンサルティングの役員など、顧問先の外部CFOも歴任。
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