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Column

2025.06.11

M&Aにはどんな種類がある?各手法のメリットとデメリット②

前回は、実際にM&Aにはどのような種類があるのかを見ていきました。その中でも特に、「買収」について焦点を当てました。今回は同じM&Aでも違う手法である「合併」と「分割」に焦点をあてて解説していきます。本記事では、よりM&Aを深く理解するためにさまざまなM&Aのタイプについてわかりやすく解説します。

この記事のポイント
  • M&Aの中の「合併」と「分割」について、それぞれのメリット・デメリットが分かります。

合併のメリット・デメリット

まずは合併の具体的な手法について説明し、その後にメリット・デメリットを挙げながら整理していきます。
会社の合併とは1社もしくは複数の会社がほかの会社に権利義務の全てを承継させる手法です。その中で「吸収合併」と「新設合併」の2種類に分かれます。

吸収合併

一方の法人格を消滅させ、もう一方の法人格のみを残し、合併によって消滅した法人格(消滅会社)の権利や義務、債務などの全てを合併後存続する会社(存続会社)に承継させる手法です。
吸収合併により、消滅会社が保有している資産(権利)、抱えている負債(義務)に加え、消滅会社が当事者となる一切の契約(取引先との契約、従業員との雇用契約など)上の地位は全て、そのままの条件・内容で承継されます。 この場合、消滅会社の株主には存続会社の株式が対価として交付され、新たに存続会社の株主となります。
また、吸収合併の中にも「適格吸収合併」と「非適格吸収合併」の2種類があり、適格吸収合併の場合は消滅会社の繰越欠損金を引き継ぐことができるなど、合併に際して優遇を受けることができます。

経営計画の策定状況

新設合併

新設合併は、新設した会社に全ての消滅会社の権利や義務をそのままの条件、内容で承継させるM&Aの手法になります。消滅会社の株主には新設会社の株式が対価として交付され、新たに新設会社の株主となります。
新設合併の場合は法人が新たに設立されるため、新設法人で事業に必要な許認可を取得し直す必要があるなど、手間やコストがかかるためこの手法が用いられることは多くはありません。

経営計画の策定状況

合併のメリット

  • 包括承継に該当するので契約関係・権利義務・従業員などを承継させるための手続きが必要ない
  • 対価が株式の交付のみなので買収資金が不要

合併のデメリット

  • 消滅会社の中に引き継ぎたくない資産や負債があっても引き継ぐことになる
  • 株主総会特別決議、書類の備置・閲覧、反対株主の株式買取請求、債権者保護手続きなどいくつかの手続きを行う必要がある

会社分割のメリット・デメリット

次に会社分割の具体的な手法について説明し、その後にメリット・デメリットを挙げながら整理していきます。会社分割とは会社を複数の法人格に分割してそれぞれの法人格に事業や資産を移転する手法です。分割した事業を新設法人が引き継ぐ「新設分割」と既存法人が引き継ぐ「吸収分割」の2種類があります。
成長部門の子会社としての独立や不採算部門の切り離しなど、主に経営効率を高めるための企業グループの再編成に利用されます。

新設分割

会社の一部分、例えば債務と担保不動産だけを分割会社に残し、採算の取れている事業部門のみを切り出して新設会社に承継させることで、企業再生を図る目的で用いられる場合があります。新設分割の中に「分割型新設分割」と「分社型新設分割」の2種類があります。

分割型新設分割

  • 事業の一部を分離して新設会社が承継し、新設会社の株式を分割会社の株主が取得する

分社型新設分割

  • 事業の一部を分離して新設会社が承継し、新設会社の株を分割会社が取得する
経営計画の策定状況

吸収分割

会社の一部分、例えば不採算事業を切り出しその事業に特化している会社に吸収させることにより、分割会社の効率化や分割承継会社の事業拡大を目的として用いられます。

経営計画の策定状況

会社分割のメリット

  • 株式の交付をもって分割が行われるため資金の用意は不要
  • 取引先もしくは従業員の契約先などとの契約を結びなおす必要がない

会社分割のデメリット

  • 事業にかかる許認可は引き継ぐ会社がそのまま承継できるものとできないものがある
  • 会社分割は原則、株主総会の特別決議が必要となるため、上場会社の場合は手間と費用がかかる

以上が合併や分割の手法とメリット・デメリットです。
M&Aといってもいくつもの手法が存在しています。その中から、会社の事業に与える影響や、各当事者の資金負担など様々な要素を加味しながら最適な方法を選択します。
思い描く自社の未来によっても方法は変わってくると思います。
そのため、M&Aを行うに当たっては詳細なシミュレーションを行うことが重要になってきます。
M&Aをお考えの際は弊社スタッフが丁寧に対応いたしますのでお気軽にご相談ください!

この記事を執筆したのはです
Saito
Team事業承継・税務支援
シニアスタッフ
1995年横浜生まれ。大学卒業後、2018年に新卒で税理士法人横浜総合事務所に入社。
入社後2年弱は所内の製造部門であるTeam会計税務支援に勤務。
2020年より現在のTeam戦略経営に異動し、中小企業・個人事業主を中心に60社ほどのお客様を担当させていただいています。
今後も経営者の方の夢の実現をサポートさせていただくと共に、自分自身も日々成長を続けていきます。
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